2435日続いた習慣
あるきっかけで、長年の友人と毎朝LINEをする習慣が始まった。
そのきっかけというのが、当時私がどうにもこうにもうまくいくはずのない恋愛をしていて、心配した友人が、「ちょっと心配だからこれから毎日LINEするわ。」ちょっと、がなんと2435日続いた 笑
なんてことない内容だったけれど、私を心配してくれてのやりとりだったので、ありがたかった。
当時の彼とはとっくにお別れし、その後別の人と付き合い、結婚し、2児の母となったが、当時始まった毎朝のLINEの習慣だけは残った。
そしてその長年続いた習慣を、私の方から切り出し、やめた。
ちなみになぜ2435日とわかるのか?については、数えていたからだ。毎朝タイトルのように「定期連絡〇日目」から書き始めるのが暗黙のルールとなっていたので、毎日何日目なのかが嫌でもわかるという仕組みだ 笑
感じ始めた違和感
実は最後の方の1年位はもやもやしながら続けていた。
ここ最近私は育児家事で忙しく、友人からいつも先に送られてくるパターンに固定していた。そしてその内容は、「月曜日って憂鬱だね。」だとか、「仕事で疲れが溜まっている。」だとか、「天気が悪くて何か嫌だね。」だとか。
つまり毎日連絡しているからネタ切れで、わざわざ送る必要のない内容になっていたのだ。
そのやりとりもいつも朝だから、朝からネガティブな内容を見るのが憂鬱に思い始めていた。
そして私はLINEを始めた当時とかなりライフスタイルが変わり、独身実家暮らし→独身1人暮らし→結婚して2人暮らし→柴犬飼う→1人目出産→2人目出産と、どんどん忙しくなる一方で、友人は独身実家暮らしのまま。
ライフスタイルは人それぞれで、実家暮らしを否定はもちろんしないのだけど、正直そっちは家事や育児もなくて暇で返信に困る内容を送ってくるけど、こっちは色々忙しいんだよ、と思うこともあった。
LINEの内容がネガティブなことが多く、かといってそれを改善する為にライフスタイルを変えるわけでもなく、変わらないままの友人と、どんどん変わっていった私とで違和感が生じてきた、というのは女の人あるあるというか、よく聞く話な気もするけれど、友人なのにそういう感情を抱いてしまう自分にももやもやするし、だんだんこのLINEのやりとりを重荷に感じ始めている自分もすごく冷たい人な気がして、とにかく毎朝もやもやしながらひとまず習慣だけは続いていった。
違和感をスルーできなくなったきっかけ
このもやもやしているけど習慣になっていること。少し前の私なら、何だかんだいって習慣になってしまっているし、いざやめるとなると切り出さないといけない。その内容も考えないといけないし伝えるにもエネルギーがいる。だったら違和感を感じながらも続けてしまった方が楽だし、と違和感をスルーし続け、何となく続けていたかもしれない。
しかしちょうど1年程前に切迫流産になり3ヶ月半休職した間に断捨離をし、不要な物を追い出しまくってふと落ち着いた頃、今度は物ではなく感情についても敏感になり、スルーできなくなってきたのだ。
そしてやっぱり毎朝の定期連絡は終わりにしよう!と後押ししてくれた方がいた。
背中を押してくれた二人の人物
それが小川奈緒さんとバブリーたまみさん。
小川奈緒さんのご著書「すこやかなほうへ」の中に「友だちは変わっていくもの」というエッセイがあった。
「古くて長い付き合いというだけで、いま会って話して楽しいかと言うと、友だちってそんなに単純じゃない。経験や環境で身につける価値観は年齢とともに変化します。ひさしぶりに会って話してみたら、昔はなかったズレを感じてしまうこともあるし、それに気づいた後も違和感に目をつぶって会い続ける必要はない、というのがわたしの考えです。」
まずここで、私が自分が冷たい人かもと思っていたけれど、それは自然なことと思えた。
またこの後の、長い間定期的に会っていた友人としばらく会わなくていいと思った理由に、
「いつも話が堂々巡りで、お互いの将来の話で盛り上がれない。不満そうなのに動く様子もない。時計が止まっているか逆戻りさえしている感覚に陥る。」
「変わったのは自分で自然なこと。「冷たい」と感じるならそうなのかもしれない。でも、それがいまのわたしなのです。」
なんともきっぱり!読んでいて気持ち良かった 笑
私のもやもやを的確に言語化して下さっていて、赤べこかっていう位にうなづきが止まらなかった。
でもそれを読んでからも数ヶ月、行動に移せなかった。
そして極めつけはバブリーたまみさんのインスタで見た、「親友って言葉が嫌い」という投稿。
「もし親友だからって、それが義務になっちゃって苦しんでる自分がいるんだったら、親友って言葉は自分を無視する理由にならないと思う。親友だから。じゃなくて、私がどうしたいのか。無理してないのか。自分の心の声に素直になってほしい。」
そう!義務になっていて辛かった!
毎朝来るネガティブなLINE、返さなきゃと思いつつ夫は出張で不在がちでやることがわんこそばのように次から次へとやってくるし、すぐ返さない間も頭のどこかで後で返さなきゃといつも思っているし、きっとまたネガティブな内容な気がするから見たくない。朝から嫌な気分になりたくない。
色んな自分の気持ち、無視して苦しんでた。
バブたまさんのおかげで、心は決まった!
あとは、どう伝えようか?
こんな時、小川奈緒さんだったら、正直に、でも誠実に、真摯に伝えるのうまそうだな‥相談したい!なんて思ったけれど、ご著書を読み返したりしているうちに答えは出た気がした。
もう伝えてやめないとだめだ。あくまで友人のことは好きなのに、ただ、この距離感は違う。距離感がバグってしまっていることで、友人が嫌いになり始めている気がしてしまうし、もう、潮時だ。
ただ自分の思いを、きっかけは私を心配してくれたことで、あの時は救われたことへの感謝。
今はライフスタイルが変わってしまって余裕がないこと。この連絡がなくなったからといって友人でなくなることではもちろんなく、何かあれば助けたいから言ってほしいし、私も聞いてほしい。あくまで関係は変わらず、変な距離ができるわけでも会いづらくなるわけでもなく、これからも末永くよろしく!でも今は余裕がなくて色々ごめんと、本当にそのまま、朝の授乳をしながら早朝に申し訳ないと思いつつ、送った。
やはり長年の友人。わかってくれた。
実は私もそう思っていたよ、とも。
そしてLINEの送信と同時に授乳が終わり、今度はミルクをあげようと娘と向き合った時、いつもより可愛く見えたのだ。
そして、「これで、ちゃんと向き合える。」と思ったことに自分でもびっくりした。
たかが毎朝のLINEをやめただけ。なのに、自分が思っていた以上に、毎朝のもやもやで脳内のスペースを取られていたのだと気づいた。
思いを伝えてもやもやがなくなった途端見える景色が変わったなんて、そんな綺麗な話あるかい!笑 でも確かに、朝のクリアな自分に生じた自然な思いだったから間違いない。
これで毎朝、あとで返さなきゃ、内容見るの何か嫌だな、の習慣を手放せた。
毎朝細かくある子供のお世話、もやもやしながらでなく、向き合える。
清々しい朝だった。